配偶者等ビザとは、日本人や永住者と結婚した外国人が日本で生活するために必要なビザです。
この記事では、取得条件、申請方法、審査のポイント、必要書類、注意点などを解説します!
- 配偶者ビザ(結婚ビザ)の概要
- 配偶者ビザを取得するための重要なポイント
- 必要書類や申請の大まかな流れについて

配偶者ビザ(結婚ビザ)とは?
配偶者ビザ(結婚ビザ)とは、正式名称「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」と呼ばれる在留資格の一つで、日本人や永住者と結婚した外国人が日本で生活するために必要なビザです。
日本人の配偶者等ビザについて
日本国籍を持つ人と外国人が結婚した場合に適用されます。
対象となる人は?
以下のいずれかに該当する方が申請対象です。
- 日本人と法的に婚姻関係にある外国人
- 日本人の実子
- 日本人の特別養子
永住者の配偶者等ビザについて
永住者(特別永住者も含む)と外国人が結婚した場合に適用されます。
対象となる人は?
- 永住者と法的に婚姻関係にある外国人
- 永住者等の子として本邦で出生し引き続き在留している子
在留期間は?
「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」どちらも5年、3年、1年又は6月です。
「配偶者」だけでなく「等」があることで婚姻関係以外の身分関係も包括的にカバーしているのが特徴です。
配偶者ビザを取得するための重要なポイント3つ
結婚の信憑性について
配偶者ビザの審査では、申請者の結婚が本物であり、夫婦として実際に生活を営んでいるかどうかが最も重要視されます。つまり、「偽装結婚ではないか」という点です。
「法律上の婚姻関係」だけでなく、社会的にも夫婦として認められる関係性が築けているかが判断されます。そのためには、具体的な説明と資料の裏付けが不可欠です。
経済的に安定していること
日本で安定して暮らせるかどうかが審査されます。
「収入面」では、申請人または配偶者が十分な所得を得ているかが審査され、課税証明書、源泉徴収票、給与明細などで収入の実態を証明します。自営業の場合は、確定申告書や営業許可証などを提出し、経済的な安定性を示すことが求められます。
「住居の状況」として、夫婦が同居していることが住民票で確認され、実際に共同生活を送っているかが判断されます。また、生活スペースが夫婦2人で生活できる環境か(単身者向けのワンルームではないか)も重要視されます。
「納税状況」もチェックされます。住民税や所得税に未納がないかどうか、そして社会保険料の支払いがきちんと行われているかなど、公的義務を果たしているかが審査の対象となります。
収入が一定額に満たない場合でも、親族による経済的支援や十分な貯金の証明、株や有価証券等によって、生活基盤の安定性を補完することが可能です。
外国人本人が過去に在留資格の不良がないか
「在留資格に該当する活動をしていない」など、在留資格の不良履歴がある場合は審査が厳しくなり、場合によっては不許可となる可能性があります。
- オーバーステイ(不法残留)
- 資格外活動(オーバーワーク)
- 不法就労歴
- 虚偽申請歴
配偶者ビザを取得するための必要書類
申請では、「必須書類」で基本的な事実関係を証明し、「任意書類」で婚姻の信頼性や安定した生活基盤を補足的に裏付けることが重要です。
配偶者ビザ申請の3つのパターン
パターン | 申請種別 |
---|---|
海外から外国人配偶者を呼ぶ | 在留資格認定証明書交付申請 |
日本に滞在中の外国人と結婚 | 在留資格変更許可申請 |
配偶者ビザの更新 | 在留期間更新許可申請 |
必須書類とは?
出入国在留管理局が定める「提出が義務づけられている書類」であり、これらが揃っていないと申請が受理されない、または審査に著しく悪影響を及ぼします。例えば以下の通りです。
- 婚姻を証明する戸籍謄本や婚姻証明書
- 質問書、理由書、身元保証書などの様式類
- 収入証明・納税証明など生活基盤に関する資料
- 夫婦の写真や連絡履歴など交際の実態を示す資料
任意書類とは?
申請者の状況によって提出が推奨される書類です。
必須ではないけれど、「あると審査官の印象がグッと良くなる」ような書類です。収入が不安定だったり、転職したばかりだったり、ちょっと特殊な事情があるときには、こうした補足資料をつけておくことで、審査の通過率が上がることもあります。例えば以下の通りです。
- 自営業の場合の確定申告書類や営業許可証
- 転職後間もない場合の直近の給与明細
- 家族の支援がある場合の支援意思の証明書
- 海外での生活状況や渡航歴に関連した書類
書類の「量」ではなく「質」が審査の決め手となります。提出書類の正確性・整合性・信憑性を確実にすることで許可率を高めることができます。
配偶者ビザの取得にかかる費用
配偶者ビザの取得は「できるだけ費用をかけずに済ませたい」と考える方も多いと思います。
配偶者ビザの手続きは想像以上に複雑で、書類の名称からして「これ、なんのこと?」と感じる方も少なくありません。必要な書類の収集から内容の確認、申請書類の作成にいたるまで、思った以上に時間と労力がかかるものです。
「やればできる」手続きではあるのですが、途中で不安や疑問が生じることも多いため、事前に流れを把握しておくことがとても大切です。
自分で申請する場合
項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
収入印紙代 | 4,000円 | 許可後に在留カード受領時に納付 |
戸籍謄本・住民票などの発行手数料 | 数百円〜数千円 | 書類の種類と通数による |
結婚証明書の翻訳費用 | 数千円〜 | 外国語の場合は翻訳が必要 |
行政書士や専門家に依頼する場合
10~15万円前後はかかることが一般的です。事務所によっては追加料金(特急対応、年齢差、オーバーステイ歴など)が発生する場合もあります
配偶者ビザを取得するまでの流れ
以下の大まかな流れについては、「認定証明書交付申請」(外国籍の配偶者がまだ海外にいる場合)を前提としたものです。
日本と相手国の両方で法的に有効な婚姻関係を成立させる必要があります。相手国での婚姻証明書も取得します。
前述とおり、申請者の状況に合わせて「必須書類」と「任意書類」を準備・作成します。
出入国在留管理庁のホームページに、平成29年度から、全国の地方出入国在留管理局における在留審査の処理期間の平均日数を公表がされています。しかし、提出する入管の込み具合によっても変動します。実務上は標準処理期間よりも長くなることが多くあります。
認定証明書が交付されたら、海外の配偶者に郵送します。現地の日本大使館でビザ申請を行い、許可後に来日できます。日本到着時に在留カードが交付されます。
入国後14日以内に市区町村役場で住民登録を行います。
不許可になりやすいケース
以下に当てはまる場合は、不許可になりやすく専門家のサポートを受けることをお勧めします。
- 交際期間が短い場合
- 年齢差が大きい場合
- 離婚と結婚を繰り返している場合
- 日本人の配偶者側の収入が低い場合
- 出会いがキャバクラなどの水商売のお店の場合
よくある質問
- 収入が少ない場合でも配偶者ビザは取得できますか?
-
一定の収入があることは審査の重要なポイントですが、預貯金や支援者の存在などで補える場合もあります。状況に応じた補足資料の提出が鍵です。
- 交際期間が短いと審査に不利になりますか?
-
交際期間が短い場合でも、出会いや結婚に至る経緯を丁寧に説明し、写真ややり取りの記録などを添えることで、信頼性を補うことができます。
- 配偶者ビザが不許可になった場合、再申請はできますか?
-
はい、できます。不許可理由を確認し、必要な修正や追加資料を整えたうえで再申請することで、許可される可能性も十分あります。
まとめ
配偶者ビザ(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等)は、結婚の信頼性・経済的安定・過去の在留履歴などが審査のポイントになります。
- 書類の準備が不安な方
- 自力申請と専門家依頼で迷っている方
- 過去に不許可になった経験がある方
お一人おひとりの状況に合わせて、必要書類や審査の視点を整理しながら、サポートのご提案も可能です。
まずはお気軽にお問い合わせください。